サピエンス全史

こんにちは。

書評書きます。はてなブログからこっちに移動してきました。

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今日読んだのは「サピエンス全史 上」

最近、何かと話題に上るこの本、読んでみたら知的好奇心をゾクゾク刺激されました。

 

 

理系だった自分は、歴史というものをここ数年ほとんど学んでいません。ネアンデルタール人とか旧石器時代とか、懐かしいワードが出てきました。

しかし、その内容は歴史の教科書のように面白みに欠けるものではなく、われわれ人類(正確にはホモサピエンス)が地球を支配するに至った過程が、3つの革命(認知革命、農業革命、科学革命)をテーマとして様々な角度から説明されており、非常に興味深かった。

 

様々な角度というのは例えば、社会学的側面です。筆者は、人類が他の生物種に勝ることができるようになった最初のきっかけとして、認知革命による虚構構造理解力の獲得を挙げています。認知能力の発達により、集団的な行動を高次元で行うことができるようになったホモサピエンスが、身体的能力で優位性を持っていたネアンデルタール人に勝る力を身に付けていったというのです。

なぜ集団的な行動を高次元で行うことができるようになったかというと、国や宗教といった虚構(形而的なもの)を理解し、それらを理解する人同士がタッグを組むことが可能になったからだといいます。虚構を理解できず、目の前のもの(例えば外敵であったり餌であったり)しか理解できない生物には、このような集団的行動はできなかったのではないか、との考察がなされています。

認知能力から観た我々ホモサピエンスと他の生物の違いについては、言われてみれば納得できるものの、認知対象が虚構構造であるか否かというところまで深く考えたことはありませんでした。また、そのような認知構造の違いが集団行動を起こせるか否かの違いに繋がっていくことは、一人では到底想像できなかったと思います。

実はまだ認知革命の章しか読んでいないのですが、歴史を社会学的に捉えることの面白さがこの章だけでも味わえます。この他、一生物種としての生物学的側面や、貨幣を作りだす経済学的側面、農業革命の章では農学的側面からも考察がなされており、考察対象の時間的スケールの大きさも相まって、知的欲求が満たされる極めて面白い本だと感じました。

上巻と下巻に分かれており、価格はそれぞれ2千円前後と高めですが、非常に読みごたえがあるためコスパは悪くないと思います。

何というか、ホモサピエンスの進化の歴史を知ることで、日常の何気ないことがすっと理解される(例えば、「あ~、夜中にポテチをばか食いしてしまうのは、食べられるときに食べるべきというホモサピエンスとして本能が働いているからなんだなあ」、とか)瞬間があって、それが快感なんですよね笑

気になる人はぜひ読んでみてください!高くて手が出にくいという人は、近くの図書館で借りられないか以下のサイトで確認してみると良いかもしれません。

https://calil.jp/